学童保育の規制緩和に疑問
厚生労働省は、小学生を預かる放課後児童クラブの職員基準を緩和する方針を表明しました。これは児童支援員と呼ばれる職員を1ヶ所につき2人以上の配置を義務付けていますが、地方の人手不足に配慮して1人の配置も容認し、職員の資格基準も緩和するとしています。
今回の見直しは、地域や時間帯により児童数が異なるのに、全国一律で常時2人以上の職員を配置するのは不合理と主張する自治体側に配慮したものです。
1ヶ所あたりの児童数の目安は40人以内となっていますが、たとえ人数が少なくても対象者は小学1年生からの子供です。
一定の経験や資格を持たない職員が1人で預かるには相当のリスクが生じます。子供の命を預かる緊張感やケガをした時の対応など、予測不能な行動をとる子供を相手に保育の質の低下は避けられず、保護者からのクレーム等を受け止めるのも職員です。
保育士の人手不足による待機児童の問題を含め、今回の規制緩和の問題に共通するのは、想像以上の精神的な負担と、その負担に合わない低賃金にあると思います。
保育の仕事に従事する職員の処遇改善の必要が、この問題の根本にあると指摘しておきたいと思います。